2010.07.29 Thursday
がんは治る時代
2010年7月15日 日刊ゲンダイ
ASCOで大注目 肺がん飲む新薬がすごい! (ゲンダイネット)
がんを飲み薬で治す――。そんな新しい時代を予感させたのが先月シカゴで行われた米国臨床腫瘍学会(ASCO)だ。
がん研究の世界最大級の学会として知られ世界中から3万人以上のがんの研究者や医師、製薬関係者らが集まるこの学会で、今回もっとも注目を集めたのが肺がんに対する新たな分子標的薬。その臨床研究によると、この薬を飲んだ患者の約9割が病気の勢いを抑えられ、6割近くががんの大きさが縮小したという。一体どんな薬なのか? ASCOに出席した肺がんの専門家で神奈川県立がんセンター呼吸器科の坪井正博医師に聞いた。
「注目の薬はALK阻害薬という薬です。そもそもがんは細胞の設計図である遺伝子の病気です。肺腺がん患者の一部を調べると、ある共通した遺伝子異常が起きて、新しい遺伝子ができていることがわかってきました。それがEML4―ALK遺伝子です」
これは細胞の骨格タンパクを作るEML4という遺伝子とキナーゼと呼ばれるタンパク質リン酸化酵素を作るALK遺伝子の一部が入れ替わって(転座)できたもの。
「そのことで、がん化した酵素が作られ、ますますがんが増殖するというわけです。そこで今回、新しく見つかった、がん化した遺伝子にALKの活動を阻む薬であるALK阻害薬を与えたところ際立った成果が挙がったというのです」
●がんが小さくなった人が6割も
実際、82人の患者に250ミリグラムの飲み薬を1日2回飲ませただけで87%が病気の勢いが止まり、57%ががんが縮小したという。中には、まったくがん細胞が消えたという患者もいたという。
「肺がんは小細胞がんと非小細胞がんがあり、非小細胞がんは腺がん、扁平上皮がんなど部位ごとに5つに分かれています。今回対象となった肺がんは日本人男性の4割、女性の7割以上を占める腺がんです。これまでは肺腺がんの3割程度にEGFR(上皮成長因子受容体)遺伝子変異があることが知られ、これに対する新しい分子標的薬がすでに使われています。ところが、EGFR遺伝子に問題なくて肺腺がんになる人もいます。新しい薬はこういう人の一部に効くと考えられています。対象者は比較的若い人に多いといわれており、新たな薬で寿命を延ばす人が出てくるでしょう」
実際、日本のEML4―ALK遺伝子異常のある肺腺がんの患者が臨床試験の行われる韓国・ソウルで治療を受けてドラマチックな効果があったという。今後さらに大規模に行われる臨床試験では日本での試験参加、治療も可能になる。
「大変期待できる薬ですが、残念なのは発表者が韓国の研究者だったこと。このEML4―ALK肺がんを発見したのは実は日本人研究者です。日本での臨床試験のインフラ整備の悪さや薬剤開発の遅れのために、創薬では海外勢に先を越されてしまった。似たようなことは以前に乳がんの抗がん剤でも起きました。がんの研究者としては残念でなりません」
ともあれ、がんは治る時代に入りつつあるのだ。
 |
2010.07.28 Wednesday
徳島がん徳島対策センター
2010年07月28日 朝日新聞
がん対策センター 来月2日に開設へ
がん患者の在宅医療を支援するため、県は26日、「徳島がん対策センター」を設置すると発表した。徳島大学病院と県立中央病院に委託し、両病院が一体で運営を進めている総合メディカルゾーン内に来月2日、開設する。
センターでは、がん患者や家族のための相談窓口を設け、看護師とソーシャルワーカーなどが電話で相談に応じる。医療費や治療内容など、かかりつけの病院や主治医に相談しづらいことでも、気軽に話ができる態勢を目指す。
また、自宅での治療を希望する患者に対して、医師や看護師による支援が充実していない現状に配慮。新しいセンターでは、病院、診療所、訪問看護、介護事業所、薬局などが患者と家族を支援するようなネットワーク整備を進めるため、医療関係者を対象にした研修会を開く。
センター長は、徳島大学病院がん診療連携センターの宇都宮徹センター長、副センター長には県立中央病院臨床腫瘍(しゅよう)センターの前川正彦センター長が就任する。
相談窓口は(088・633・9438)。平日午前8時半〜午後5時。
 |
|
|