「
AHCCが
がんに効果にある
確率は74分の1」
厚生労働省による実験の結果が発表されました。この
AHCCが
がんに効く確率が高いか少ないかは議論の分かれるところでしょう。効かないはずの健康食品でも
がんに効くこともあるとする見方もあれば、期待していたのにその程度しか効果が無いのかと、残念がる見方もあります。
しかし、そもそも「
AHCC」なる健康食品の位置付けとは?
日本の企業が
AHCCを開発販売している経緯は、海外で大注目の高純度
βグルカン開発に遅れたことが要因です。キノコ信仰の深い日本ではキノコ抽出の効率の悪い低純度
βグルカンでも十分な利益を確保した商売で潤っていたために、海外で隆盛した高純度
βグルカンの開発へ進出する意欲が低かったのは無理の無いことです。結果、高純度
βグルカンの代名詞と言える
パン酵母からのβグルカン抽出技術の殆どの特許は海外企業に抑えられてしまいました。後発の日本企業には、旨みの無い
パン酵母βグルカンに参入するよりも、効果効率が悪くとも自社技術による特許製品が選択されました。
このような歴史を顧みれば、
AHCCが
βグルカンに劣ることは明白です。βグルカン、それも高純度の
βグルカン(
ベータグルカン)の実証実験であれば、さらに好結果が得られることは間違いないでしょう。
AHCCが日本でしか評価されていないのは、海外では既に高純度の
βグルカンの実績と評価が定まっているからなのです。
2010年4月22日 朝日新聞
検証体制の整備必要
食べ物にがんを抑える効果があるかどうかを科学的に調べようという試みも進められている。
厚労省の研究班(主任研究者=住吉義光・元四国がんセンター病棟部長)は、キノコ類の健康食品にがんを抑制する力があるか調べた臨床試験の結果をまとめた。
四国がんセンターや北海道大、京都大学病院など7施設で実施。早期の前立腺がんで、すぐ治療を始める必要がない患者74人(平均年齢73.5歳)に1日4.5g、6カ月間、キノコの抽出物から作った食品「AHCC」を食べ続けてもらった。
がんの進行度の指標となる前立腺特異抗原(PSA)でみると薬と同様の効果があったのは74人のうち1人だけ。
4ヵ月後にPSAが54%下がったという。 また、参加した患者のデータを平均すると、通常右肩上がりに上がっていくPSA値は、ほぼ横ばいだった。
住吉さんは「AHCCに抗がん剤のような効果はないことがわかった。
ただ病気の進行が緩やかになる可能性は示唆されるので、さらなる検討が必要だ」と話す。
この結果は、盛岡市で27日から開かれる日本泌尿器科学会で発表される。
大阪大の伊藤壽記教授(生体機能補完医学)も、化学療法を続けている約50人のがん患者にAHCCを摂取してもらい、抗がん剤の副作用が軽減するかを調べている。
伊藤さんは「患者は少しでも生活の質を上げたいと考えている。
国には、玉石混交の機能性食品を一つひとつきっちり調べ、安全性や有効性を検証する体制の整備が望まれる」と指摘する。
AHCCとは、株式会社アミノアップ化学が開発、販売している健康食品。シイタケから抽出されたα-グルカンを中心とした植物性多糖体の混合物