癌(がん)治療の最新情報

カスタム検索
<< 肺がん遺伝子の発見 | main | 女性の結腸がん >>
乳がんに無断臨床試験
「臨床試験」とは、人体への影響(効果・効能/副作用=薬害)が明確になっていない化学物質を患者に投与して、その影響を観察するものです。未承認薬と言えば聞こえはよいかもしれませんが、毒にも薬にもなる化学物質と言えます。
この臨床試験は、製薬会社の新薬には欠かせないプロセスであるため、協力関係にある医局=教授を通じて、支配下にある医局=病院の患者に協力が求められます。
患者にしてみれば、既存の抗がん剤への不安と、転移への恐怖から、耳障りに期待が持たされる「新薬」への憧憬は捨てがたく、要望が多いのも事実です。
しかし、悪い言葉を使えば「人体実験」とも捕らえられる「臨床試験」は、絶対的な前提として患者本人と家族の同意の後に実行されるものです。抗がん剤の副作用のリスクはそれだけの覚悟が必要なのです。

「抗がん剤」は現在の医療では、避けて通れない治療方法の一つですが、その低い効果・効能と、確実に重い副作用を鑑みて、投与を拒否される患者も多くいます。
今回の事件では、"不必要に"抗がん剤への不信感が高まってしまったために、本来は「抗がん剤」の投与が適切な患者にまで不安と不信感を増大させ、精神的な苦痛をも極大化させてしまいました。

関係者の処分に留まらず、製薬会社と医局の癒着による臨床試験のシステムにまで言及した解明が望まれます。

くすし

2007年07月27日09時57分 朝日新聞

乳がん患者48人に無断で臨床試験 神戸市立病院


 神戸市立医療センター中央市民病院(神戸市中央区)の医師2人が、少なくとも48人の乳がん患者に対し、同意書を得ずに抗がん剤を使った臨床試験をしていたことが分かった。厚生労働省が策定した倫理指針に違反しており、同市は「適正な手続きを怠っていた」として、医師を処分する方針だ。

 同市病院経営管理部によると、同意書なしに臨床試験をしていたのは、同病院の外科の医長と元医長(昨年7月退職)。2人は04年2月から、乳がんの手術前に抗がん剤を投与する「術前化学療法」で、4種類の抗がん剤を標準的な方法とは異なる順序で患者に投与する臨床試験を始めた。

 院内の部長会で承認された実施計画書には、試験目的であることや、予想される不利益などについて書かれた説明文書を患者に渡して説明した上で、同意を文書で得ることが規定されていた。厚生労働省が03年に施行した「臨床研究に関する倫理指針」でも、被験者に危険性などについて十分説明した上で、文書で同意を得なければならないとしている。

 ところが、医長は05年10月までに臨床試験を実施した計30人の患者の誰からも同意書を取っていなかった。元医長は同時期に19人の患者に試験を実施したが、同意書は1人から取得しただけだった。

 医長は同管理部の調査に対し「臨床研究であることは患者に説明していたが、時間が足りず、手続きを省略してしまった」と弁明しているという。元医長は朝日新聞の取材に対し「最初は同意書を取ったが、その後は手続きが抜けてしまった。非常に反省すべきだと思っている」と話した。

 この臨床試験には同市立医療センター西市民病院(神戸市長田区)の医師2人も参加し、計3人の患者に試験を実施していたが、この2人は全員から同意書を取っていた。

 医長は院内調査に対し、「試験は05年10月で終了し、その後の患者には同意書は必要ない」とも主張、同月以降に同様の治療をした患者も被験者に繰り入れた結果を、今年6月の日本乳癌(がん)学会などに発表しており、同意書なしの臨床試験例がさらに増える可能性もある。

 神戸市保健福祉局の宮田克行・病院経営管理部長は「本来取るべき適正な手続きを怠っていた。真摯(しんし)におわびするとともに再発防止の機能を高めていきたい」としており、今後、医長を処分する方針。
抗がんinfo - 末期癌をあきらめない! | 医療問題 |
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< August 2020 >>

このページの先頭へ