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肝臓がんの新治療法
2008年2月4日 読売新聞

肝臓がん 広がる「ラジオ波」

体に負担少なく 保険適用で

超音波で映し出した画像を見ながら、肝臓に刺した針で慎重にがんを焼くラジオ波治療(東京・武蔵野赤十字病院で) 肝臓がんで亡くなる人は年間3万4000人と、肺、胃、大腸に次いで多い。患者の9割は、C型やB型のウイルス性肝炎が原因だ。慢性肝炎や肝硬変で肝臓そのものが弱っているうえ、肝臓のあちこちにがんが現れたり、再発を繰り返したりするのも、肝臓がんのやっかいな点だ。

 肝臓がんの治療は多様だ。肝臓の機能が比較的保たれ、一般的に、がんが1個か「3センチ以下で3個以内」のがんなら、切除手術や、がんに針を刺して電気の熱で焼いたりアルコールを注入したりといった、根治を目指す治療が行われる。

 一方、がんが多発している場合には、肝臓がんに栄養を運ぶ血管をふさいだり(塞栓(そくせん)治療)、抗がん剤を注入したりして、がんの進行を抑える治療法が用いられる。

 読売新聞は、日本肝臓学会の認定施設など全国360病院に、2006年1年間の手術と、針刺し治療の代表であるラジオ波治療の実施件数をアンケートした。266施設から回答があり(回収率74%)、紙面の都合で合計が20件以上(移植含む)の220施設を掲載した。手術には、肝臓内の胆管にできるがん(肝内胆管がん)も約1割含まれている。

 手術は外科、ラジオ波治療は内科のほか、放射線科や外科でも一部行われている。治療数の多い施設でもアンケートに回答が得られなかったり、一部の診療科だけから回答があった施設もある。

 ラジオ波治療は10年ほど前に導入された、電気の熱でがんを焼く治療で、従来行われていたアルコール注入法やマイクロ波で焼く方法に代わり、針刺し治療の主流になっている。局所麻酔で、1個のがんを焼くのにかかる時間は10〜15分ぐらい。入院も1週間程度と手術に比べ短い。

 日本肝癌(がん)研究会の01〜02年の初回治療の患者に対する調査では、手術と針刺し治療の数は、ほぼ同じぐらいだった。これに対し、今回のアンケートでは、ラジオ波治療が手術の2倍以上あった。再発治療も含むため単純な比較はできないが、体に負担の少ない治療を求める高齢患者の増加や、04年にラジオ波治療に保険が適用されたことが、背景にありそうだ。

 4分の1の施設では、「がんの大きさが3センチで3個以内」という基準にこだわらず、大きさや個数の適応範囲を広げていた。塞栓治療との併用をはじめ、腹腔(ふくくう)鏡の利用や、腹部を開き直接肝臓に針を刺して行う場合も一部にある。

 簡単な装置でできるラジオ波治療だが、安全に行うには医師の技術が問われる。武蔵野赤十字病院(東京)消化器科部長の泉並木さんが一昨年、全国45施設約1万3000症例をまとめた調査では、誤って心臓や胃、大腸などを傷つけ患者が死亡した例が15件、ラジオ波の熱や出血でがんが散らばってしまった例が93件あった。泉さんは、「十分な治療実績のある施設で受けることが大切」と話す。

 肝硬変が進んでいて手術やラジオ波治療の対象にならない場合、肝臓移植が選択されることもある。

 04年に保険適用されたが、「3センチ以下のがんが3個以内」か、「5センチ以下のがんが1個だけ」という条件がある。事前に他の治療によってがんの個数を減少させた場合でも認められるよう、昨年6月に基準が緩和された。06年1年間の実施件数を、別表に示した。(田村良彦)
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