治療が最も困難とされる「膵臓がん」の治療薬研究が紹介されています。
これから治験が始まるので、新薬開発にはあと数年以上が費やされますが、
少しでも治る可能性と選択儀が増えることが期待されます。
2008年7月9日
日本経済新聞
金沢大、膵臓がんなど増殖抑制 治療薬候補物質を開発
金沢大学の向田直史教授や石橋弘行教授らの研究グループは膵臓(すいぞう)がんなど10種類以上のがん細胞の増殖を抑える治療薬候補物質を開発した。従来の抗がん剤とは異なる発がん遺伝子を標的とした合成化合物を精製し、がん細胞の働きを抑制。同大は「化学療法をしても生存率が低く、治療が難しい膵臓がんの有効な治療方法になりうる」としている。
向田教授は2006年に膵臓や大腸などのがん患者の体内で、がん細胞の増殖を活発にしたり、がん細胞を死ににくくする発がん遺伝子「Pim―3」が発現していることを解明。その後、Pim―3の働きを測定する方法を開発するとともに、化合物の合成を繰り返し、試験管内でPim―3の増殖や活性化を抑制することに成功した。
現在はマウスを使って治療薬の副作用を確認する検査を始めている。安全性に問題があれば化合物の組み合わせを練り直し、毒性がないと判断できれば製薬会社などと組み臨床試験に入る予定だ。