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赤い発疹が癌に
2008年10月17日 読売新聞

赤い発疹 実はリンパ腫

 東京都内のC子さん(66)の手や足に、赤い発疹がで
き始めたのは7年前のこと。「はれもかゆみもなかった」と話す。

 2年後、心配になって近くの病院の皮膚科を受診した。
炎症を抑える錠剤を服用すると一時的に症状が消えたが、
再び悪化し、以前よりもひどくなった。
そのうち、左足のふくらはぎに、うずらの卵程度の大きさの赤いふくらみができた。
 ふくらみの一部を取り、組織を調べてもらった。
その結果、医師から入院を勧められ、
入院手続き用の書類に「悪性リンパ腫の疑い」とあることに目に留めた。
 「亡くなった芸能人もいたと思って、足がガタガタふるえた」

 悪性リンパ腫は、血液に含まれる白血球の一種であるリンパ球のがん。
リンパ節が腫れるのが普通だが、皮膚組織に入り込んで増殖することがある。
「皮膚悪性リンパ腫」という。

 新規患者数が年間約400人と稀な病気で、
半数近くは、発疹ができるだけで、がんとは言っても寿命に影響はしない。
だが、患者の十数%は数年で亡くなる。
がん細胞の増殖を抑える作用がある紫外線照射を主体とした治療を行う。

 C子さんは、東大病院皮膚科で詳しく検査を受け、
発疹だけではなく、腫瘍ができやすいタイプとわかった。
定期的な紫外線照射に加え、腫瘍ができた場合は、より強い効果がある放射線治療を行う。

 C子さんは、顔や尻、かかと、ひじなどに計6回、入院や通院で放射線治療を受け、
2週間に1回、紫外線照射を続けている。
紫外線や放射線は、がん細胞を殺すと同時に、
皮膚組織の中で、がん細胞を誘引したり、増やす原因となる物質を減らす効果があると考えられている。

 担当医の菅谷誠さんは 
「原因のリンパ球は体内に潜むため、完治は難しい。良好な状態を維持するのが治療の狙い」と言う。
 C子さんは、
「完治しないと聞き、落ち込んだこともあるが、今は大丈夫」と語り、
幸い治療が良く効いており、症状は抑えられている。

 皮膚悪性リンパ腫は、見た目がアトピー性皮膚炎と似ており、
組織を調べないと診断できない。
もし、アトピーと誤診して免疫抑制剤を使うと、
がん細胞を殺す免疫機能を抑えるため、リンパ腫は悪化してしまう。
 菅谷さんは
「検査目的で皮膚を切るのをいやがる人も多いが、疑わしい場合は積極的に検査を受けてほしい」
とアドバイスする。
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