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皮膚がんQ&A
2008年10月21日 読売新聞


日本皮膚悪性腫瘍学会理事長
斎田 俊明(さいだ・としあき)さん 
東京大卒。埼玉がんセンター医長、東京大助教授などを経て、1989年、信州大教授。98年から日本皮膚悪性腫瘍学会理事長。

[Q&A]早期なら切除で治る


 日本皮膚悪性腫瘍(しゅよう)学会理事長の斎田俊明さんに聞きました。

 ――国立がんセンターがん対策情報センターのまとめによると、国内の皮膚がん患者は1980年代には4000人前後でしたが、2002年には8000人を超えています。なぜ増えているのでしょうか。

 「多くのがんと同様、患者は高齢者に多く、社会の高齢化とともに着実に増えています。発生頻度が多い順に、基底細胞がん、有棘(ゆうきょく)細胞がん、メラノーマ(悪性黒色腫)などが挙げられますが、性質には大きな違いがあります。メラノーマが非常に転移しやすく、怖いがんであるのに対し、基底細胞がんは基本的に転移の心配がありません。

 有棘細胞がんは日光紫外線との関連が強く、その前段階症状と考えられている日光角化症なども含めると、基底細胞がんよりも発生頻度は高くなります」

 ――発症の最大の原因はやはり紫外線ですか。

 「皮膚がんは、紫外線から皮膚を守るメラニン色素が少ない白人に圧倒的に多く、黒人に少ないことや、皮膚がん細胞の遺伝子異常の研究からも、紫外線は最も重要な発症原因のひとつとされています。

 しかし、紫外線のほか、慢性的な外部からの刺激なども発症の引き金になると考えられています。日本人で最もメラノーマができやすい足の裏は、様々な刺激を受けやすい場所です。また有棘細胞がんが、深いやけどや外傷の跡に発症することも知られています」

 ――自分ですぐに見つけられるでしょうか。

 「皮膚表面にできるので、早くから症状に気づきますが、進行が遅いものも多く、ただのホクロや湿疹(しっしん)と思って、受診が遅れがちです。気になったら放置せず、皮膚科を受診すべきです。ただ、早期の病変は診断が難しい例もありますので、大学病院やがん専門病院など、皮膚がん専門の皮膚科医がいる病院が望ましいです」

 ――治療はどのように行われていますか。

 「基本は切除手術で、ほとんどの皮膚がんは、表層にとどまる早期段階なら切除のみで治ります。近年は、拡大鏡を使った診断法ダーモスコピーや、リンパ節への転移の有無を確認するセンチネルリンパ節生検などの技術が進歩し、不要な手術を避けたり、切除範囲を縮小したりできるようになってきました。日本皮膚悪性腫瘍学会で主な皮膚がん4種の診療指針を作成し、学会のホームページ(http://www.skincancer.jp/index.html)に掲載しています。

 一方、転移した場合は抗がん剤や放射線などによる治療を行い、有棘細胞がんなどでは効果が期待できますが、メラノーマでは良い治療成績は得られていません。早期の診断と治療が大切なことは今も変わりません」(藤田勝)


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