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最小限のがん切除
がんの手術において、"安全のために"大きく切除するのは時代遅れになりつつあるということでしょう。
"安全のため"には、患者の安全のためではなく、医師の安全のためである場合も危惧される事態です。

研究に余念のない、医療機関にお世話になりたいものです。

2008年11月21日 読売新聞


「目印」付けリンパ追跡
胃がんの転移予測

 千葉県佐倉市の男性Aさん(71)は8年前、早期の胃がんが見つかり、慶応大病院で胃を切除することになった。「胃がなくなると苦労するのでは」と不安になったが、「センチネルリンパ節生検」という検査を受けた結果、転移の可能性が低いと判断され、がんの周りを小さく切除するだけで済んだ。おかげで手術後も変わらずに食事ができ、今も元気にゴルフを楽しんでいる。(山口博弥)

 早期胃がんのうち、がんが胃の粘膜にとどまっていれば、口から胃カメラを入れる内視鏡治療で治せることが多い。しかし、粘膜の下の粘膜下層にまでがんが進むと手術が必要になる。胃の全部か3分の2を切除し、がんが転移している可能性がある周囲のリンパ節も取り除く。

 胃を切除すると、困るのは後遺症だ。少しずつしか食べられず、早食いすると苦しくなる、下痢をしやすくなる、食後に動悸(どうき)やめまいが起こる――などの症状が表れる。

 そこで期待されているのが、センチネルリンパ節生検。センチネルは「見張り」の意味で、胃がんが転移する場合、がん細胞がリンパ管を通じて最初に流れ着くリンパ節のことだ。

 このリンパ節を特定し、がんが見つからなければ、その先のリンパ節にも転移がない、と判断。切除する胃の大きさやリンパ節を減らす縮小手術で、後遺症の軽減を目指す。

 センチネルリンパ節の特定は、手術直前にがんの周囲に色素を注入、または前日に放射性同位元素を注入して行う。慶応大病院では二つの方法を併用している。

 手術では、染まったリンパ節を肉眼で確認しながら、小さめに胃とリンパ節を切除する。その場ですぐに、取り出したリンパ節に放射線検出器を当て、反応したリンパ節を病理検査に出す。顕微鏡でがんが見つからなければ手術はそこで終わり、がんが見つかれば、さらに範囲を広げて切除する。

 センチネルリンパ節生検は、皮膚がんの一部や乳がんで普及しているが、まだ研究的な段階。特に胃がんでは慎重に行われてきた。センチネルリンパ節にがんが見つからなくても、他のリンパ節にがんが転移しているケースがあるからだ。

 そこで、全国の12病院(別表)による最新の臨床試験で、胃がん患者約400人に慶応大と同じ方法で生検を行った結果、粘膜下層にとどまる早期がんで、大きさが4センチ以下なら、ほぼ正確に転移の有無を診断できることが分かった。

 今後は、この検査を行って縮小手術を行う場合と、通常の手術を行った場合とで、生存率の差を調べる必要がある。

 主任研究者で慶応大一般・消化器外科教授の北川雄光(ゆうこう)さんは「まだ研究途上にある検査法なので、医師の説明をよく聞いて検査を受けたい」と話している。

臨床試験に参加した病院

岩手医大 (盛岡市)
福島県立医大 (福島市)
防衛医大 (埼玉県所沢市)
埼玉社会保険病院 (さいたま市)
千葉大 (千葉市)
慶応大 (東京都新宿区)
東京医大 (同)
東海大 (神奈川県伊勢原市)
金沢大 (金沢市)
石川県立中央病院 (同)
三重大 (津市)
鹿児島大 (鹿児島市)
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