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新放射線治療
前立腺がんを手術で切開せずに、治す治療法が確立されてきました。高価な機械ですが、導入する医療機関は増えています。


2007年12月17日 読売新聞

がん放射線治療

装置改良で正確な照射

京都大病院が導入したIMRTなどに用いる新型治療装置。治療台の天井両脇にある板状の装置でエックス線撮影する。右上は赤外線監視装置

 東京都の医療機器会社役員、上総中童(かずさ・ちゅうどう)さん(71)は2002年、定期検診の血液検査がきっかけで、早期の前立腺がんが見つかった。前立腺は、男性の膀胱(ぼうこう)の下にあるクルミ大の臓器だ。

 地元の泌尿器科では手術を勧められたが、上総さんは仕事柄、放射線治療に詳しい。「強度変調放射線治療(IMRT)」と呼ばれる新治療の効果が高いと知り、治療経験が豊富な京都大病院を訪ねた。

 様々な方向から病巣に放射線を集中させる治療で、がんの形に合わせて照射範囲や強さを調節することから名付けられた。周りの臓器への影響を極力避けるよう、コンピューターで綿密な計画を立てて行う。前立腺がんでは、手術に劣らない効果が報告されている。

 手術なら数週間の入院が必要だが、IMRTは通院で可能。同病院放射線治療科講師の溝脇尚志さんにそう説明され、この治療を受けることに決めた。「当時、手が離せない仕事があった」からだ。

 週5回、約1か月半にわたって照射を受けた。平日は京都市内のホテルから通院し、金曜午後から月曜午前まで、東京に戻って仕事をこなした。

 前立腺がん手術では、尿漏れ、性機能喪失などの後遺症が起きやすいのに比べ、IMRTは少ない。上総さんは治療中、1週間ほど尿意を頻繁に催し、1年半後、軽い直腸出血があったが、「深刻な副作用はなく、満足」という。

 それから、治癒の目安とされる5年がたった。その間に、治療法にも改良が加えられた。

 正確な照射を行うため、当時は治療開始時にエックス線で撮った画像と、事前に撮ったCT(コンピューター断層撮影)画像を、技師が目で見て誤差の有無を判断していた。今はCTやエックス線などの機器が一体化した装置が開発され、自動的に誤差を計算、補正が可能になり、より早く正確に照準合わせができる。

 治療中に患者の体が動くと、照射位置がずれる恐れがある。これを防ぐため、京都大病院は今春、治療中の体の動きを赤外線センサーなどで確認する装置を使い始めた。こうした工夫もあり、IMRTを行う医療機関は急増している。

 ただ、装置の進歩だけでは良い治療はできない。副作用を避け、病巣に放射線を集中させるよう治療計画を練り、結果を検証するのは、放射線治療医や技師、医学物理士と呼ばれる専門家だ。「治療に先立ち、経験豊富なスタッフがいるかどうかも尋ねた方がよい」と溝脇さんは言う。

 高度な放射線治療が急速に普及している。その現状と課題をリポートする。

 IMRTを行う医療機関 日本放射線腫瘍(しゅよう)学会の調査によると、2003年の17施設から、2005年には33施設に増えた。昨年、一定の基準を満たした施設は、検査など治療の一部に保険がきく先進医療に認められた。費用は施設によって異なるが、70万〜90万円前後。

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