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がんをワクチンで予防
がん(癌)の中でも子宮頸がんは、原因となるウィルスが特定できている珍しいがんです。

しかも、がんの原因となるウィルスに対して有効なワクチンも開発済みなのです。早期発見、早期治療なら子宮頸がんは怖くないがんです。

女性なら、定期健診を受けることでリスクを最小化できるのですから、どんなに忙しくとも検診は怠らないことです。

自分一人の命ではないのですから。


2007年12月28日 読売新聞

子宮頸がん…予防はワクチン・定期検診

 がん検診のシリーズの1回として子宮がん検診(10月26日)を取り上げたところ、「子宮がん予防にワクチンができたと聞きましたが、どのようなものですか?」という質問が多く寄せられた。

 子宮がんには、子宮の入り口の部分(頸(けい)部)にできる子宮頸がんと、奥の袋状の部分(体(たい)部)にできる子宮体がんがある。ワクチンは、このうちの子宮頸がんの発病を防ぐ働きがある。昨年から今年にかけ、米国、欧州連合(EU)、オーストラリア、韓国などで相次いで承認された。日本では今年に入り、グラクソ・スミスクライン社と万有製薬がそれぞれ承認申請を出している。

 なぜ、がんが予防接種で防げるのかというと、子宮頸がんの95%以上は、「ヒトパピロマウイルス」というウイルスの感染で起きるからだ。

 性交渉によって感染するが、エイズウイルスなどとは違い、ごくありふれたウイルスなので、成人女性の半数以上は一生に一度は感染すると言われている。ただ、いったん感染してもほとんどの場合、ウイルスは自然に消えてしまう。

 ところが、ウイルスが消えずに持続感染し、何年もかけてがんになることがある。ワクチンは、このウイルスの感染を防ぐ。

 海外では性交渉が始まる前の若い女性に広く予防接種を打つことが検討されているが、横浜市立大産婦人科准教授の宮城悦子さんは「打つ時点で感染していなければ、何歳でもワクチンの予防効果はある」と説明する。

 ただし、ヒトパピロマウイルスにはいくつもの型があり、ワクチンはがんを引き起こすすべての型に対して効果を発揮するわけではない。宮城さんによると、海外のデータではがんの予防効果は7〜8割とされている。最初の臨床試験が始まって5〜6年しか経過しておらず、長期的にはいつまで効果が持続するかも未知数だ。このため、米国では、予防接種を受けても定期的に子宮頸がん検診を受けることが推奨されている。

 ヒトパピロマウイルスが持続感染してからがんになるまでは何年もかかる。しかも、将来がんになる危険が高い「前がん病変」も検診で発見可能だ。子宮頸がんは初期(0期)で見つかれば、がんとその周囲を切り取る簡単な治療で、子宮も温存でき、がんもほぼ100%治る。

 このため、欧米の多くの国では7〜8割もの女性が子宮頸がんの検診を受けているが、日本の受診率は2〜3割。先進国の中では極端に低い。宮城さんは「定期的に検診を受けていればほとんどの子宮頸がんは早期発見できる。まずは検診を受けて」と話している。(館林牧子)
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