乳がんは転移が心配ながんです。このようなたんぱく質の発見によってがん細胞の増殖抑制が期待できるなら、副作用の少ない優れた薬となりそうです。
乳がんの増殖・転移を抑制するたんぱく質、筑波大が特定
筑波大学の柳沢純教授らの研究グループは乳がんの増殖と転移を抑制するたんぱく質を特定した。「CHIP」と呼ぶたんぱく質で、この量の増減や活性化を制御できれば、新たな乳がん治療法の開発につながる。論文が英科学誌ネイチャー・セル・バイオロジー(電子版)に8日、掲載された。
研究グループは正常細胞と乳がん細胞を詳細に比較し、CHIP量ががん細胞では正常細胞の1割程度まで減少していることに着目した。乳がんの増殖・転移といった悪性化に関与している可能性があるとみて、ヒト由来の乳がん細胞をマウスに移植、がんの増殖や転移について調べた。
[2009年2月10日/
日本経済新聞 朝刊]